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2025年

2025.10.27 みすず野

2025/10/27
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 きょうから「読書週間」が始まる。その初日は「読書の日」。昭和22(1947)年に出版社や書店、公共図書館などが制定した。「読書の力によって、平和な文化国家をつくろう」という目的があり、それは読書の日も同様。最初の年は1週間だったが、反響が大きく翌年から2週間となった◆書評集やブックガイドは本を選択するのに役立つ。30年以上前に刊行された文芸評論家・向井敏さんの『書斎の旅人』(中公文庫)は、ずっと読み続けている。文章に厳しい著者が記した短い1編が何度読んでも味わい深い◆ユーモア詩のアンソロジー『日本のライト・ヴァース』(書肆山田)は、この本で知った。40年以上前の発行で探していた。それが今年、別の出版社から刊行された。本の内容を知らなければ見逃していたかもしれない。向井さんは「こうしてまとめられてみると、あるいは繊細、あるいは剛毅、あるいは洒脱、あるいは沈鬱、機智とユーモアの富の多様にあらためて驚かされる」と紹介している◆読書週間の今年の標語は「こころとあたまの、深呼吸」。「平和な文化国家をつくろう」という目的はこの秋、かみしめたい。

市民タイムスWEB

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