2025.7.5 みすず野
2025/07/05
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負ければ終わりの「夏」が始まる。ここを目指して体力増強や技術向上に励んできた球児たち。1日でも長く、仲間と試合に臨みたい気持ちは誰もが一緒だろう。第107回全国高校野球選手権長野大会が、きょう開幕する◆弊紙の担当記者は今大会を「混戦は必至」とみる。甲子園出場の常連私立校が複数、ノーシードでいるのも群雄割拠の雰囲気を醸し出す。本番を迎え、どこまで巻き返してくるか。もちろん公立校も隙あらば、と虎視眈々。試合前の予想を覆す、番狂わせも高校野球の醍醐味だ◆「顔を上げている選手でなければダメ。うつむく選手はものにならない」。6月に逝去したミスタープロ野球・長嶋茂雄さんが著書『野球へのラブレター』の中で訴えている。ミスや好機を逸したときこそ、下を向かず、前を向いて悔しがり、次につなげ、と◆甲子園行きのチケットは1枚のみ。勝ち取るには相手チームばかりでなく、猛烈な暑さも強敵となる。しっかりと対策をとりたい。選手たちは、たとえ劣勢でも仲間を信じて最後まで全力を出し切ってほしい。もし負けてしまっても、それが各自の今後の大きな財産にきっとなる。