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SNS型投資詐欺 安曇野の70代男性1億円超被害

 松本署は9日、安曇野市の70代男性がSNS(交流サイト)を通じて架空の投資話を持ち掛けられ1億102万8900円をだまし取られたと発表した。SNS型投資詐欺の1件当たりの被害額としては県内で過去最高額で、電話でお金詐欺(特殊詐欺)の県内での最高被害額も上回った。SNSを悪用した詐欺被害が全国で相次ぐ中、同署はインターネット上での投資話は詐欺を疑うよう呼び掛けている。

 調べだと、男性が2月中旬、インターネット上の動画配信サイトに掲載された投資関連の広告にアクセスしたところ、メッセージアプリに誘導され、アプリ上で著名人やそのアシスタントを名乗る計3人の相手から投資を勧誘するメッセージを受信した。男性は指示通り、インターネットバンキングや銀行窓口を介し、4月下旬までの間に計9回、個人または法人名義のそれぞれ別口座に自己資金を振り込んだ。4月下旬になってやり取りが途絶えたことから男性は不審に思い、5月3日に警察に相談し、9日、同署が被害届を受理した。
 同署によると、1回で振り込んだ最高額は3600万円で、松本市内の金融機関窓口を介して振り込まれた。男性は「投資をしている」などと家族に話していたが、その時点では被害に気付かなかった。
 県警によると、3月末までに確認されたSNS型投資詐欺の被害件数は16件で、昨年同期比の8倍と被害が急増している。同様の詐欺は投資でより大きな利益を得ようとした被害者が多額の送金をしてしまい、1件当たりの被害額が大きくなる傾向がある。同署はこれまでも「非対面のやり取りには危険性があると認識してほしい」と呼び掛けていた。