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松本に「どぶろく醸造所」 お城近く バー併設 無添加で酸味控えめ

併設のバー・松本DOBUROCKでどぶろくを味わう来店客ら

 日本伝統の酒どぶろくを製造販売する「松本どぶろく醸造所」(松本市大手4)が国宝松本城近くに誕生した。どぶろく特区に該当しない松本市で酒蔵以外の個人店がどぶろくを手掛ける初めてのケースといい、口コミで人気が広がっている。

 居酒屋一歩の隣に昨年末に誕生した。仕掛け人は一歩を営む志賀丈師さん(57)と、いとこの田中勝巳さん(59)。田中さんは30年近い日本酒醸造の経験を持つ。
 醸造には酒米でなく、うまみの強い浜農場(同市島内)のコシヒカリを使用。県内の酒蔵、酒千蔵野(長野市)と豊島屋(岡谷市)のこうじを用いて「スイート」と「ドライ」の2種類を仕込む。「昼間でも気持ちよく飲んでもらえるように」と発酵を調整する低温管理にもこだわり、アルコール度数は5%に抑えた。
 出来たてを併設のバー「松本DOBUROCK(ドブロック)」で楽しめるのも特徴だ。どぶろくは無添加で酸味控えめのため、イチゴやリンゴ、ブルーベリーなどの果実や果汁を加えることで酸味や香りを添えている。和洋の料理とも相性が良く、来店客に好評だ。
 現在は週72リットル程度を手掛けるが、徐々に増やして瓶詰め販売にも対応していきたい考え。田中さんは「本当においしいと納得のいくどぶろくを提供し、日本文化の発信につなげたい」と話している。バーは午後1~7時で夜は予約に応じる。問い合わせは同醸造所(電話0263・88・8939)へ。