左官技術でアート作品 職人の笠尾剛さん 壁面仕上げ材を活用 食べ物や動物描く 安曇野で個展
2025/07/06
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左官職人の笠尾剛さん(41)=松本市宮田=が、安曇野市穂高有明のカフェギャラリー安曇野縁縁で、個展「壁に鏝ありウォールにジェラシー」を開いている。こてを使って壁面などを塗り仕上げる左官技術で描いたアート作品を初披露している。15日まで。
ベニヤ板を土台に、外観を美しくする下地処理を施すなど、左官工事の手順に従い制作した。色が何種類もある壁面仕上げ材を絵の具のように使って、食べ物や動物、昆虫など題材を描いた。壁材を厚く盛って表現した「天丼」など背景も作り込まれた作品40点余りは、手仕事に培われた独特な風合いと質感が目を引く。
建設業アイシンク(松本市南原1)に所属して技術を習得し7年。絵画は「学校の授業で教わった以上の知識はない」といい、独学だ。
1年半ほど前、遊び心に始めたものの、出身地でもある白馬村のペンションから外壁装飾の制作依頼を受けるなど「実用ニーズがありそう」と見込む。
笠尾さんは、建築資材の高騰で業界全体として左官仕事の需要が減少しているとして「子どもたちにも左官仕事の良さを知ってもらえたら」と願い、発表の場を増やしていく考えだ。
