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2025年

松本市の水道料金ウェブ照会 利用低迷で経費減進まず 割引制度で普及に力

2025/07/03
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 松本市が3年前に開設した市上下水道局ウェブ照会サイトの登録率が、全水栓利用者のわずか3.3%(6月26日現在)と低迷している。市は打開策として5月、サイトに登録し支払いを口座振替にしている世帯を対象に、水道料金の割引制度を来年度に始めると発表した。それでも登録率は1.18ポイント上昇にとどまり、市は周知の強化を図る方針だ。
 納入通知書のペーパーレス化や経費削減を進めるため、令和4年にサイトを開設した。ただ、PR不足や登録者の利点が分かりづらいこともあって市民の認知度は低いままだった。利点の明確化を図って割引制度を導入し、来年4月の検針分から1回(2カ月に1度)につき100円、年間で600円を割り引く。市上下水道局によると、年間で割り引く同様の制度は県内の自治体で初めて。
 照会サイトでは過去2年分の使用水量や金額を確認でき、次回の納入金額がメールで届く。登録者には納入通知書を発送しておらず、印刷費・輸送費の削減につながる。
 納入通知書の発送委託料や印刷に1件約92.18円がかかっており、市の試算では登録率が現在より10%増えて13%になった場合、年間約800万円の経費を削減できる。さらに口座振替の利用者が増えることで、収納手数料は年間約100万円を減らせる。料金・水量証明書の発行も減るため、事務負担の軽減につながるなど市の利点も多い。
 臥雲義尚市長は1日の定例記者会見で、ウェブ照会サイト(QRコード)への登録をあらためて呼び掛けた。今後も経費の増加が見込まれるとし、「水道の利用を持続可能に進めていくため、大勢の人に利用してもらいたい」と述べた。

各家庭に発送されている水道料金の納入通知書