安曇野市土地利用市民アンケート 景観・自然満足度高く
安曇野市が5年に1度行っている土地利用に関する市民アンケートで、現在の居住環境に対する満足度を尋ねたところ、3調査連続で景色や自然に関する項目がトップ3を占める結果となった。安曇野の強みがあらためて支持された。一方、空き家や低未利用地の放置で居住環境や景観の悪化を感じている市民も約3割と多く、田園風景の維持に課題も浮き彫りになった。
アンケートは無作為抽出した市民2500人に昨年12月~今年1月に行い、1054人から回答を得た。
居住環境で満足していることを複数回答で聞いたところ、「きれいな景色」が73・7%で最多だった。「水がおいしい・空気がきれい」が65・6%、「緑が多い」が51・2%と続いた。令和元年の前回調査、平成26(2014)年の前々回調査も同じ順位だった。
市都市計画課は「3回連続で自然環境が圧倒的上位にきていることを重視している。そういったものを大事にしながら土地利用のあり方や計画を考えていきたい」とする。
一方、市全体の開発や土地利用で問題に感じていること(複数回答)では、「空き建物や低未利用地等が放置されており、住環境や景観が悪化してきている」が27・4%と2番目に多かった。都市計画課は「景観の悪化を感じている人が徐々に増えていると捉えている。関係部署と連携しながら対策を検討したい」と見据える。
居住環境で不満に感じていること(複数回答)では、「公共交通の便が悪い」が3調査連続で最も多い50・8%だった。次いで「道路や歩道の整備が不十分」が38・9%と前回調査から15・3ポイントも悪化した。国道19号や広域農道といった南北方向に比べ、東西方向で快適な幹線道路が整備できていないという事情もあるようだ。
市は全国でも珍しい土地利用条例を制定しており、独自に土地利用をコントロールしている。「豊かな自然環境や景観、歴史・文化を守り、暮らしやすさと産業発展のバランスがとれた田園産業都市づくり」が目標。