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2025年

2025.7.7みすず野

2025/07/07
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 平安時代から旧暦の7月7日の七夕のとき、そうめんが宮中の儀式の供え物にされていたといわれていると『乾物の事典』(星名桂治著、東京堂出版)にある。これにちなんで、全国乾麺協同組合連合会は、昭和57(1982)年にきょうを「そうめんの日」と定めて消費拡大を図っている◆「ざぶざぶと索麺さます小桶かな」村上鬼城。「鬼城のこの句を目にするたびに冷たい素麺が食べたくなるのも、『ざぶざぶ』という水の音が、茹で加減の良さや、茹でた鍋から笊に取り、手早く冷ましている手際の良さを臨場感ゆたかに伝えているからでしょう」と俳人の宇多喜代子さんはいう(『旬の菜時記』朝日新書)◆もう店がなくなってしまったが、そうめんとおにぎりのセットをランチメニューにしている喫茶店があった。冬以外は出していて、早く行かないと売り切れになる人気だった。サラダや簡単な揚げ物も付いていた◆宇多さんは、ミョウガや青ジソなど薬味だけでさっぱり食べると、うだるような暑さを忘れさせてくれるという。冷房が効いた部屋での食事や、お年寄り、病人には、冬のものとされているにゅうめんを勧めている。

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