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貴重な機械式工業用はかり寄贈 クボタが東洋計量史資料館に

寄贈された戦前の機械式工業用はかり

 東洋計量史資料館(松本市埋橋1)に5日、産業・農業機械など製造のクボタ(大阪市)が、戦前から戦後にかけて製造した機械式の工業用はかり5点を寄贈した。産業の発展を支えた存在だったが、電子式はかりの普及などで現存数もわずかな貴重な存在となっている。人々の目に触れる形で技術の歴史を後世に伝えてほしいと、資料館に託された。

 クボタは大正13(1924)年からはかり関連の事業を手掛けている。5点は大阪府内の事業拠点で保管されていたが、はかり事業100周年記念事業の一環として資料館に寄贈されることになった。  5点のうち最も古い物は、昭和12(1937)年発売の「手動さおはかり」。トラックや貨車の積み荷を高精度で計量できることに加え、重さや日付の印字機能もある。昭和30年代に発売された、ベルトコンベヤーを移動する資材を連続的に計量するはかりは高度成長期のインフラ整備を支えた。  5日に寄贈式が開かれた。クボタの吹原智宏精密機器事業ユニット長は「機械式はかりは先人の知恵と工夫が凝縮された芸術品。たくさんの人に見てほしい」と願い、資料館の土田泰秀館長は「末永く大切にしていきたい」と話していた。  5点は資料館の展示と合わせて見学が可能(予約が必要)。問い合わせは東洋計器(電話0263・48・1121、平日のみ)。