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2025年

飲食店のメニューを3D表示 信大生がシステム開発

2025/10/29
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専用のQRコードを読み取り、机の平面を覚えさせると料理が3D表示される。市内の焼肉店で試験的に導入された

 信州大学(本部・松本市)の学生でつくる団体「世界を立体で」が、飲食店の来店客にもっとメニューをわかりやすく伝えようと、料理をウェブ上で3D(三次元、立体)表示する試みをしている。今夏に撮影などを開始し、10月初旬に松本市の松本駅近くにある焼き肉店で試験的にシステムを導入した。アンケートで課題が浮き彫りになり、改善に努めている。

料理を全方位から計30~40枚撮影して、3Dモデルを作る

 学生3人が取り組んでいる。ウェブ上に表示させるプログラム作りを倉見龍政さん=経法学部3年、メニューの撮影を中谷友亮さん=工学部3年、写真を基にした3Dモデル作りを米須莉々七さん=理学部3年=が担当する。趣味でプログラミングを勉強している倉見さんが、焼き肉店でアルバイトをしていた時に、来店した外国人観光客が注文後、予想とは異なる量の料理が届いて困っている姿を目の当たりにした。メニューには料理名と数品の写真が載っていたが、3D表示ができれば注文のミスマッチがなくなるかもしれないと団体を立ち上げた。
 市内の飲食店の協力の下、1店舗15品ほどを目安に少しずつ撮影と3Dモデル作りを進めている。設備費などは学生社会活動支援事業「信州大学知の森基金」を利用した。本年度中には、4店舗のメニューを3D表示し、比較できるようにしようと目指している。
 1店舗目の焼き肉店での導入では、「分かりやすかった」「インパクトがあって楽しかった」といった意見があった。一方で、スマートフォンの性能次第では表示されなかったり、表示されるのに時間が掛かったりといった課題が浮かび上がった。現在は2店舗目となるどんぶり店のメニューの3D表示化を進めながら、システムの改善に力を注ぐ。
 倉見さんは「5年ほどで、3Dで情報を得ることが当たり前になる時代になるかもしれない」と述べ、「ウェブ上で3D表示させる技術があることを知ってもらえればうれしい」と話していた。

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