村井駅の新駅舎利用開始1年 自由通路で活気、駅周辺は渋滞も
JR篠ノ井線・村井駅(松本市村井町南1)新駅舎の利用開始から26日で1年が経過した。松本市とJR東日本が建設した駅舎には、駅を東西に結ぶ自由通路が新たに設けられ、駅西側の住民や通勤客らの利便性が飛躍的に向上した。一方で駅利用者が増加したため、周辺では送迎の車による混雑も目立ち始めている。駅周辺の工事は現在も続き、市は駐輪場の建設などを進めており、令和8年度末には全ての工事が完了する予定だ。

昨年10月に完成した駅舎は3階建てで、1階に待合室やトイレ、そば店がある。2階には市の図書館の蔵書などを取り寄せて借りられる「図書館サービスポイント」、3階には改札と駅を東西に結ぶ自由通路などが設けられている。
JR東日本によると、村井駅の1日当たりの平均乗車人員は、令和元年は2019人だったが、新型コロナウイルス禍の2年は1741人に減った。その後は回復傾向にあり、昨年は2219人まで増えた。
東西自由通路は駅利用者以外も使う人が多い。駅西側の会社に勤務する男性(32)は「自由通路を通って駅東側の食堂に昼食を食べに行く機会が増えた」と話す。駅の南側に住む70代の夫婦は「駅の自由通路を通って駅周辺を散歩するのが日課になっている」と語る。駅西側の住宅地から自由通路を通って東側にある大型商業施設に買い物に行く人もいた。JR東日本長野支社は「市施設などができ、利用する学生の姿も多く見られ、駅に活気が出てきたと感じている。東西自由通路の利用者も多く利便性は向上した」と話している。
駅利用者が増えたことで駅周辺の混雑は著しくなった。整備中の西口前の市道は幅が狭いため、朝晩は送迎の車で渋滞が発生する。駅東口で客待ちをしていたタクシー運転手は「夕方は学生を迎えに来る保護者の車でロータリーが混雑する。駐車場を増やしてほしい」と注文していた。



