輝く現代アート 山形村在住・下田ひかりさん 軽井沢の企画展出品

朝日村針尾出身、山形村在住の現代美術家で欧米やアジアなど海外にもファンを持つ下田ひかりさん(41)の作品が、北佐久郡軽井沢町の軽井沢ニューアートミュージアムで開催中の企画展で、プロローグを飾っている。漫画を思わせる画風とポップな色調に乗せて伝える独特な表現の絵画はインパクトがあり、パンフレットにも採用されている。企画展に参加する国内外の著名作家の中でも注目のアーティストだ。
グループ展のタイトルは「つながる・ひろがる―越境・拡張する表現領域」で、マルセル・デュシャンや村上隆など国も時代も異なる現代美術家約35人の119点が並ぶ。
下田さんの作品は、第1展示室の最初に5点飾られている。「ネオライゴーズ」(162センチ×130センチ)は「来迎図」の現代版で、頭上に輪を浮かべ後光を背負いながらも「NOT SAVIOR(救世主ではない)」と書かれた人物と、それに向かって手を合わせる「HUMAN(人間)」と書かれた人物、天使などが描かれており、ポップな色彩とアニメ風の人物設定でまったく新しい印象を与える。
下田さんは、現代社会の中で宗教が救いにならなくなりいさかいが起きて、生きることに疲れている現状に「新しい希望や救いを描きつつ、混沌とした世界そのものも表現したい」と話している。平成25(2013)年から描いており、パンフレットにも採用された「この星のこどもたち」シリーズも並ぶ。
12月半ばからは併設ギャラリーで個展も開催予定で、現在は「金継ぎ」にヒントを得た新作を制作中だ。下田さんは「企画展にはいろいろなメディア(媒体)を使った作品が並んでおり、現代アートに触れたことのない人でも身近に感じられると思う」と話している。
企画展は来年6月7日までで、開場は午前10時~午後5時。月曜休館。入場料は一般2000円、高校生・大学生1000円、小中学生500円。問い合わせは軽井沢ニューアートミュージアム(電話0267・46・8691)へ。



