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2025年

安曇野市が環境保全の取り組み強化 高さ制限に一定の強制力

2025/09/10
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 安曇野市は本年度、景観計画(計画期間・令和3~12年度)の中間見直しを行う。ガイドラインのみに記載されている建築物の高さ基準「30メートル以下」に一定の強制力を持たせるほか、観光客などが集う景色の優れた地点を「重要眺望点(仮称)」に指定する制度を設けるなどし、景観保全の取り組みを強化する方針だ。年度内に改定案をまとめ、来年度中に施行する。

 9日に開かれた市景観審議会で改定の方向性を示した。高さ制限の対応を強化するのは「まちなかエリア」(一部を除く拠点市街区域、準拠点市街区域)。景観づくりガイドラインの記載事項は「お願い」レベルで強制力がなく、厳格な規制を求める声があった。このため景観計画に「原則として30メートル以下」と定め、適合しない場合は景観法に基づく勧告まで行えるようにする。
 重要眺望点は、大王わさび農場近くの等々力橋付近(穂高)、道の駅アルプス安曇野ほりがねの里(堀金烏川)、拾ケ堰じてんしゃひろば(三郷明盛)など8カ所を候補に挙げる。あらかじめ定めたアングルで経年変化を調べ、視認される範囲で一定規模の建築がある場合、事前にシミュレーション画像の提供を求めるなどして指導、助言に生かす。
 大規模開発については、市の指導や助言が反映されやすいよう、計画案提出までに事前協議を行うよう義務付ける。景観の住民協定が高齢化などにより形骸化することを防ぐため、市が認定地域の一部を重点地区に指定して主体的に指導を行う制度も設ける。
 市は年内に素案を公表し、意見公募(パブリックコメント)を経て年度内に改定案を固め、必要に応じて来年度に条例改正を行う方針だ。