新巻きザケ チクチク手芸で 堀金のデイ利用者が制作 機能回復の訓練に活用
2025/09/03
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安曇野市堀金烏川のデイサービス「アトリエ つむぎ」の利用者が、手縫いで新巻きザケを模した布手芸作品の制作に取り組んでいる。原寸大で存在感があり、ぶら下げるためのひもが付いていたり腹にスジコが隠れていたりと、発想がユニークでリアルな雰囲気に仕上がっている。
利用者約50人のうち30人ほどが1人1匹ずつ取り組んでおり、認知症予防や機能回復に役立てている。利用頻度にもよるが、1匹仕上げるのにおよそ3カ月かかるという。
つむぎは株式会社ちゃ・茶が運営し、機能訓練サービスの一環で布手芸を取り入れている。10年ほど前に「他がまねできないパンチのあるものを」(佐藤孝夫社長)と考えて新巻きザケに着目。制作に時間がかかり、作品が大きくて場所を取るためにしばらく休止していたが、今年6月に再び作り始めた。
作品は、頭や背びれなど20パーツほどをつなげて作られる。利用者や近所の住民が提供してくれた古い着物を活用している。制作した利用者たちは「脳梗塞で倒れて入院していたが、手芸を始めてから手が動くようになった」「部屋に飾っておいたら(家族に)褒められた」と、うれしそうに話していた。
利用者が挑戦する気持ちで目標を持って取り組むことで、完成すると自信を取り戻したり家族との会話が増えたりしている。佐藤社長は「やればできるという喜びに通じ、それが質の高い生活につながる」と語った。
