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2025年

安曇野市長選 告示まで1カ月 無投票の公算大 出馬表明は現職・太田氏のみ 

2025/09/02
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 任期満了に伴う安曇野市長選挙(10月5日告示、12日投開票)の告示が約1カ月後に迫った。7月下旬に立候補表明した現職1期目の太田寛氏(68)=堀金烏川=以外に目立った動きはなく、無投票の公算が大きくなっている。市政のかじ取り役を決める4年に1度の選択の機会はあるのかどうかに関心は移ってきている。
 「道半ばの事業や、やりかけた仕事もある中、積み上げた成果をさらに発展させる必要がある」。太田氏は8月26日の市議会9月定例会開会あいさつで出馬理由を述べた。再選出馬表明後、後援会の支部役員を集めて結束を確認。事務所開きや政策公約発表の日取りを決めるなど、体制づくりを進める。後援会幹部の一人は「いつ選挙戦になってもおかしくない。16日の立候補手続き等説明会で他の陣営がどれだけ参加するかがポイントだ」と注目する。
 ただ、対抗馬擁立の動きは顕在化していない。7割を超える得票率で初当選し、手堅く市政運営を行う太田氏に対して対立軸を明確に打ち出しにくい状況が背景にあるとみられる。議会内でも目立った批判は少なく、無投票になるとの見方が大勢だ。選挙日程が同じ市議会議員選挙の立候補予定者の間でも、太田市政2期目をにらんだ支持拡大の動きが強まっている。
 一方で、太田市政の評価については「バランス感覚が良い分、全体的に無難だ」と物足りなさを指摘する声もある。「選択の機会が失われるとしたら寂しい。無投票は良くない」として、市の将来像などを巡る活発な論戦を期待する市民もいる。
 過去5回の市長選はいずれも3~4人の選挙戦となっており無投票となれば市の発足以来初めて。「無風」のまま告示を迎えるか、それとも対抗馬が急浮上して選挙戦になるか、1カ月先の状況はまだ見通せない。

市議会9月定例会本会議で太田市長の開会あいさつを聞く議員たち(8月26日)。出馬表明の報告もあった