飾り松の価値向上へ協定 筑北村と業者が9月にも締結
2025/08/26
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筑北村は、正月の飾り松として全国で重宝される村木・アカマツの育成や保護、採取、販売についてルールを取り決める「村『飾り松の郷』基本協定」を、9月下旬にも長野・松本両市の採取・卸売業者とそれぞれ締結する。松枯れで荒廃が進む村有林の整備促進や年末に横行するアカマツの枝の盗難の予防に寄与しつつ、村の特産品としてのブランド価値向上に村・採取業者・卸売業者3者で協力して取り組む。
同協定は、村が平成19(2007)年に長野市の卸売業者と締結して以来となる。新協定では飾り松(アカマツ)出荷主体の村と、村が採取を委託するサンエムリーフ(松本市梓川倭)、卸売業者と3者でそれぞれ締結する。
新協定では、村が旧
協定で卸売業者と交わしていた販売収入を森林整備などに活用する点や村産表記で販売する点に加え、採取業者の優先採取や植樹推進を明記。村によるルールの策定も定める。協定地には村が現在サンエムリーフに植樹・整備を委託する坂北―本城地域の林道四阿屋線沿いや大野田(坂井)、伐採後の後利用を模索していた丸山(約5・5ヘクタール、東条)などの村有林が定められる見込みだ。
東北地方まで販売網がある量販店と取引できる卸売業者2社と締結する。ニジュウニドシー(長野市)の宮﨑輝男社長は「筑北村がアカマツの一大産地なのは有名で問い合わせも多い。安定出荷につながれば」と期待する。松本花市場(松本市笹賀)の田口清孝社長は「採取業者の高齢化・引退で需要に供給が追い付いていないのが現状。ありがたい」と話している。
サンエムリーフの松田清志代表は「村公認の採取業者として立場が明確になれば、村産飾り松で年間10万本という日本一の出荷体制も整えられる。将来は20万本体制も目指したい」と意気込んでいた。
