熊の出没情報アプリで発信 県が9月から本格運用へ
2025/08/20
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県は19日、県庁で野生鳥獣被害対策本部の会議を開き、他県で登山者が熊に襲われる被害が発生していることなどを受け、県内を訪れた観光客や登山客に熊の目撃情報などを迅速に伝え、注意喚起をしていく方針を確認した。熊の出没情報収集アプリ「けものおと」を9月から本格運用し、地域住民をはじめ登山客らにも情報提供する。
同アプリは、熊の目撃情報が寄せられたら市町村職員が速やかに入力する。県のホームページ(HP)で目撃情報を公開し、地域住民や観光客、登山客らはパソコンやスマートフォンで情報を得ることができる。コメント欄に、目撃された熊の大きさや、親子など熊の状態を掲載することも構想する。県は現在「ツキノワグマ出没(目撃)マップ」を定期的に更新してHPで公開しているが、同アプリを使うことでより迅速に、詳細な情報を提供することが可能になる。
同本部の本部長を務める新田恭士副知事は、北海道で登山者がヒグマに襲われた事案を挙げ「日本中の登山者が不安を抱いている。県内でもツキノワグマに登山客が弁当を食べられたという情報があり、食べ物を捨てないといったマナーの徹底や、目撃情報の速やかな共有を強化してほしい」と求めていた。
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本部会議では県内の昨年度の野生鳥獣による農林業被害の速報値も示され、県内全体の被害額は前年度比7.1%増の約8億3000万円となったことが報告された。松本地域ではカラスなど鳥類による果樹や野菜の被害、ツキノワグマの立木の皮はぎ、イノシシの果樹被害、ニホンジカやカモシカの食害などが多く、松本地域振興局管内の被害額は約1億4100万円となっている。



