安曇野市がカスハラ対策指針を策定 組織一丸で対応 通報も
2025/08/20
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安曇野市は、悪質なクレームや威圧的な言動などにより労働者の就業環境を害する「カスタマーハラスメント(カスハラ)」の対策指針を策定した。市役所の全職員に行ったアンケートで、回答者の約3割が「直近2年以内にカスハラを受けた」と答えた。組織全体で毅然と対応する必要があると判断し、指針ではカスハラの定義や対象行為、研修やマニュアルに基づく一丸となった対応を取ることを定めた。
アンケートは職員課が4~5月に行い、全職員1462人中688人が回答(回答率47・1%)。このうち28・5%に当たる196人がカスハラを受けたことがあると答え、威圧的・差別的な言動、電話や窓口で長時間の拘束を経験したとの回答が多かった。
対策指針では、市民から職員に対しカスハラに該当する言動があった場合は複数の職員で対応。注意や警告に応じず悪質と判断される場合は警察への通報や弁護士への相談を含めて厳正に対応するとした。19日に公表した市長名の「市民の皆様へのお願い」では、意見・要望には誠実に対応する一方、カスハラは人権問題と捉えて組織全体で毅然と対応する姿勢を示し、理解と協力を求めた。
市は今月に入りカスハラに特化した職員研修を開始。対応マニュアルも今月中に作成する。職員課は「市民と良好な関係をつくって行政サービスを提供していくために協力をお願いしたい」としている。
