食肉公社の市有地返還 令和10年度末に 松本市とJA全農長野が合意
2025/07/30
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松本市の臥雲義尚市長は29日の市議会臨時会で、長野県食肉公社が運営する食肉処理施設が立つ島内の市有地について、令和10年度末に返還することで親会社のJA全農長野と合意したことを明らかにした。市有地は松塩地区広域施設組合の新ごみ処理施設の建設予定地となっており、目標とする令和15年度中の稼働が実現する見通しとなった。
公社は24日の取締役会で、食肉処理施設の「移転断念」を決定している。臥雲市長は臨時会の提案説明で、返還時期の協議を進めてきたことに触れ「これにより、長らく足踏み状態が続いていた新ごみ処理施設の建設事業は令和15年度中に施設の運転をスタートできる見通しとなった」とした。「今後は市と公社、JA全農長野の3者で合意に関する正式な手続きを進め、長野県の安定的な食肉供給体制の確立に協力していく」と述べた。
松塩地区広域施設組合の德永剣事務局長は「地元に心配をかけたが、返還期限が定まったことでようやく具体的な建設計画に着手できる。15年度の稼働に向けて速やかに再スタートを切りたい」と話している。
食肉処理施設が立つ市有地を巡っては、同組合が令和2年11月、新ごみ処理施設の建設候補地を、この市有地を含む現松本クリーンセンター周辺に決定。市はJA全農長野に対し、令和6年度末までに返還するように申し入れた。しかし食肉処理施設の移転候補地の選定に難航し、JA全農長野は8年度末までの延長を求めた。今月になって移転そのものを断念し、新たな食肉流通体制の構築を検討するため返還期限について協議、さらに2年延長した。
