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2025年

松本市近代遺産の認知度低く HPのアクセス伸び悩み 魅力の発信方法に課題

2025/07/26
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 松本市公式ホームページ(HP)=QRコード=で市近代遺産の一部が公開されて3カ月余がたつが、なかなか閲覧されていない。3月28日の公開以降、アクセス数は6月末時点で700件程度にとどまっている。市は城下町の歴史を伝え、魅力向上につながる建造物を近代遺産と位置付けて保全活用に取り組んでいるものの、市民や観光客への認知度をどう高めるかが課題となっている。
 市近代遺産は旧城下町の範囲内にあり、築50年以上で歴史的な価値を有するもので、国、県、市の指定文化財を除く。登録数は118件で、所有者が認めた54件が公開されている。
 明治以降の建物が解体される中、城下町の歴史を伝える建造物を保存しようと制度を始めた。グーグルマップを活用し、市近代遺産の位置情報のほかに、建築年代や登録年月日、現在の用途が掲載されている。
 マップにアクセスしづらいとの指摘もある。6月27日に開かれた市歴史的風致維持向上協議会では、委員から「松本城など観光客の関心の高いページにリンクするようにしてみたらどうか」、「インスタグラム(写真投稿サイト)との連携を図るべき」といった意見が出た。
 市の諮問機関・中心市街地再設計検討会議が3月にした提言では、松本駅周辺から松本城周辺までの「えきしろ空間」の将来像を歩いて楽しめる「ウォーカブルなまち」としている。市中心市街地活性本部は近代遺産を街歩きのスポットとして活用していく考えで、担当の伊波麗奈さんは「近代遺産の中にはリノベーション(改装)してカフェなどの店舗になっている建造物もある。近代遺産のインスタグラムの開設を検討し、魅力を発信したい」と話している。

市近代遺産が掲載されたグーグルマップ