子供向け文庫 須原宿に 大桑の翻訳家・さくまさん 古民家を改修 あすオープン
2025/07/05
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大桑村在住の翻訳家・さくまゆみこさんが、子供向けの本を中心に扱う私設文庫「バオバブ文庫」を村内の須原宿に設けた。日本国際児童図書評議会(JBBY、東京都)の前会長を務めるなど長年子供の本に携わる活動をしており、本の楽しさを幅広い人に届け、人が集う交流の場にもしたい考えだ。日曜日を中心に試験的に開けてきたが、6日に正式オープンする。
長く親しまれてきた名作やJBBYが薦める近年の作品など、絵本から中高生向けの小説まで国内外の約2500冊を並べる。ノンフィクションや科学などを扱う作品もある。さくまさんは本を通したアフリカとの交流や文化発信などを行う「アフリカ子どもの本プロジェクト」の代表も務め、アフリカの関連コーナーも設けた。
文庫名の「バオバブ」は、太い幹が特徴的なアフリカに生える大木だ。木陰で休むなど現地の人の憩いの場になり、多様な動物のすみかや食物になる「役に立つ木」でもあるといい、文庫のありたい姿を重ねた。
東京都出身のさくまさんは、出版社勤務などを経て主に児童書の翻訳や編集を手掛けてきた。村に住む長女の出産を手伝いに訪れたことをきっかけに、5年前に自身も村に移住。「子供に直接本を渡すことがしたい」と文庫開設を決め、須原宿の古民家を購入し半年ほどかけ改修など準備をした。
子供の本の魅力に「いろいろなことに触れる入り口になる。大人にとっても同じ役割を果たしうる」と語る。文庫を通し「子供の本の面白さ、楽しさを知ってもらいたい。多様な年代の人が交流しつながる場にもなれば」と願う。
6日の午前11時にオープンし、毎週木、日曜日の午後1~6時を基本に開ける。自由に閲覧でき、木曽郡内の人は1回10冊まで、2週間借りられる。インスタグラムで文庫名のアカウントで情報を発信している。
