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2025年

元県議の妻殺害事件控訴審は即日結審 判決は10月1日

2025/07/03
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 令和3年9月に塩尻市塩尻町の自宅兼酒蔵で妻の希美さん=当時(47)=を殺害した罪に問われ、一審の長野地裁で懲役19年(求刑・懲役20年)の判決を受けた元県議会議員・丸山大輔被告(50)の控訴審の初公判が2日、東京高裁で開かれた。弁護側は無罪を、検察側は控訴棄却を主張し、即日結審した。判決は10月1日に言い渡される。
 弁護側によると、控訴審にあたって新たに、丸山被告の所有車両や移動経路などに関する8点の証拠を提出したが、いずれも採用されなかった。被告人質問もなく、20分ほどで結審した。公判後に取材に応じた征矢芳友弁護士=松本市=は、間接証拠の総合評価で丸山被告を有罪とした一審・長野地裁判決について、被告が事件前夜に宿泊していた長野市の議員会館と、自宅周辺で防犯カメラに写り込んだ車両が同一だとは認定できず、被告が両地点を往復したのは仮説にすぎないとした上で、「被告が犯人だという前提で証拠を評価、事実認定していることと同じであり問題」と述べた。
 直接的な証拠がない中、一審では議員会館―事件現場間の「移動の状況」のほか、「動機」「現場の状況」「事件前後の被告の言動」の4点が争点となった。検察側は間接証拠の積み重ねで被告の犯行を立証したのに対し、弁護側は一つ一つとしては弱い間接証拠の積み重ねでは丸山被告の犯行とは断定できず無罪と主張した。昨年12月に言い渡された判決は「内容、性質、根拠を異にする複数の事実が別々の角度から犯人であることを示している」と丸山被告の犯行だと認定した。