新市立病院 総事業費1.7倍 当初の87億円が153億円に
2025/06/26
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松本市立病院(波田)は25日、建設を計画する新病院の概算建設工事費が130億7900万円となることを、市議会市立病院建設特別委員会に示した。建設資材や物価の高騰、労務費の上昇を受け、基本設計時と比べて約29億円の増となる。基本設計時に約124億円だった総事業費は約153億円になる。令和4年度に策定した基本計画の総事業費約87億円と比べると、76%も上昇。市病院局は市長部局と連携して、事業収支計画の見直しを検討する。
特別委では委員から「事業費の膨らみをどう受け止めるか」の質問が出され、太田辰彦病院建設課長は「建設工事費の上昇はある程度予想していたが、労務費の上昇が予想以上だった」と答えた。病院経営を危ぶむ意見も出され、渡辺敏明事務部長は「国が診療報酬の改定などを検討している。経営強化プランを策定して、経営基盤強化を職員一丸となって取り組んでいく」と述べた。
新市立病院は波田中央運動広場に鉄骨5階建て延べ約1万5230平方メートルの建物を建設する。令和10年3月の開業を目指して基本設計が完了し、今年8月までに実施設計を終える。
北野喜良病院事業管理者は特別委終了後の取材に対し、「委員に事業費の状況について一定の認識は持ってもらえた」と話した。臥雲義尚市長は25日の定例記者会見で、「建設資材や人件費が上がるが、税収も上がる。公共事業における建築単価の見直しを見極め、一般会計からの繰り入れをわれわれがどう考えるかも踏まえて検討していく」と述べた。
