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磨いた箏の音色、傘寿の記念に披露 箏奏者・安藤登志子さんが発表会企画

箏文化伝承と魅力発信へ発表会を楽しみにする安藤さん

 安曇野市豊科の箏奏者・安藤登志子さん(79)が、今年傘寿を迎える節目に発起し、箏の魅力を伝える発表会を企画した。地元の小学校6年生から70代まで、長年指導してきた生徒や共に活動する愛好者ら11人で音色を響かせる。豊科交流学習センター・きぼうで19日午後2時に開演する(入場無料)。

 名曲「春の海」や「さくらさくら」、「夕やけ小やけ変奏曲」など6曲を演奏する。来場者に合唱参加を促す「早春賦」など、交流を図るプログラムも用意した。琴古流尺八奏者の渡辺清堂さん=松本市=が特別出演し、花を添える。
 千曲市に生まれ育ち、尺八が趣味だった父親の影響で幼少期に箏を弾き始めた。春の海で知られる箏曲家・宮城道雄の弟子に師事して研さんし、生田流宮城派の最高位・大師範の免状を52歳で取得。「嫁ぎ先の理解が深かったことで今日がある」と感謝し、後進の育成や、福祉施設などへ演奏に出向く社会貢献にも力を注いできた。
 こうした活動やイベント開催がかなわない新型コロナウイルス禍で生まれた停滞感を一掃したいと、発表会を発案した。安藤さんの人柄を慕って稽古に励んできた河上美貴子さん(75)=明科中川手=は「新たな仲間も募りたい」と大勢の来場に期待する。ゴルフやマレットゴルフなど多彩な趣味もこなす安藤さんは「これからの時代、人生80から」と再始動の好機と位置付ける。