共生社会へ支援体制強化 本年度 塩尻市が3圏域に推進員配置
2025/07/30
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塩尻市は本年度から、住民一人一人が抱える生活の困りごとに寄り添い、住民相互の助け合いを支援する「地域まるごと推進員」(地域福祉推進員兼第2層生活支援コーディネーター)を市内3圏域に配置している。国の施策に合わせ、市が進める「全世代対応型支援体制整備事業」として取り組みを始めた。
推進員は3人おり、市の北部(片丘・広丘・高出・吉田)、西部(洗馬・宗賀・楢川)、東部(塩尻東・大門・北小野)の3圏域に1人ずつ配置した。市が業務を委託する市社会福祉協議会の職員で社会福祉士の実務経験が3年以上ある30代男女が担う。相談に乗ったり関係機関に仲介したりして、連携して活動に取り組む。月1回、市地域共生推進課の担当者と会議を開き、情報共有している。
高齢化とひきこもりの複合的な社会問題(「8050問題」)などから、支援が必要だが声を上げられない人を掘り起こし、積極的に働きかける役割も担う。地域のつながりを作って孤立・孤独を解消し、地域共生社会を目指すのが狙いだ。
昨年度は、先駆けて東部に推進員1人を配置、近隣住民の間でトラブルがあったが、推進員の介入により相互理解につながる事例があったという。
対象年齢も子供から高齢者まで幅広く、地道な作業だが、今後実績を積み重ね、より良い支援につなげていく方針だ。統括する市地域共生推進課の総合相談マネジャー・百瀬公章さんは「行政では手が届かない部分で伴走支援が可能になる」と期待する。