2025.11.4 みすず野
2025/11/04
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					小川の上流で洗っている大根の葉が流れてくる様子を詠んだという高浜虚子の「流れ行く大根の葉の早さかな」は有名な句だ。大根は冬の季語。春の七草では「すずしろ」と呼ばれておなじみだ◆料理研究家の辰巳芳子さんは「秋から冬にかけ、日本の大地はおいしい根菜を豊かに与えてくれる。なかでも大根は、先祖伝来、骨肉の蔬菜といっても過言ではない」と絶賛している(『家庭料理のすがた』文春文庫)◆食べ方はおろしから煮る、干す、漬けるに至るまであり、皮も葉も捨てがたいと。なかでも「冬のふろふきは滋味を教えてくれる」という。その展開方法として、グラタンや雑炊、照り焼き、甘酢漬けなどを挙げる。グラタンは「大根のゆで葉があまりおいしいので、ふろふきを包み、みそを敷いて」作るそうだ◆8月末に、初めて大根の種をまいた。畑に延ばせる最長の畝を欲張ってつくり、一つの小さな穴に種を3粒ずつまいた。それは全て発芽。畝がみずみずしい緑色の列になった。間引きをした後、間違いなく大根である、という姿で作物のなくなった畑を彩る。農家の皆さんには笑われそうだが初の収穫が待ち遠しい。
						
            
                                    
                                    
                                    
                                    
                                    
                                    
            
            
            
            


