貧乏神 追い出せ 松本各地で伝統行事コトヨウカ
2026/02/09
後で読む

国の選択無形民俗文化財「松本のコトヨウカ行事」が8日、松本市入山辺など市内各所であった。農事の始まりを前に疫病を払い、一年の無病息災などを願う伝統行事で、集落ごとそれぞれの方法が継承される。昔ながらの風習を今年も大切に執り行った。
入山辺の厩所集落では子供からお年寄りまで20人余が公民館に集まり「貧乏神送り」と呼ばれるコトヨウカを行った。1時間ほどかけて体長2メートルほどのわら馬を作り、ジジとババと呼ぶ2体のわら人形を乗せると、馬を中心に車座になり、常会長の市川桂司さん(79)が鳴らすかねに合わせて念仏を唱えながら長い数珠を回した。
馬を外に出すと再びかねを鳴らして「ビンボーガミ追い出せ」と連呼しながら近くの薄川まで運び、数珠回しと念仏を終えると焼き払った。「貧乏神がついてこないように」と後ろを振り向かずに来た道を戻った。
地元の中野博充さん(77)によるとかつては子供中心だったが少子化に伴い高齢者の行事となり、現在は集落皆で行う。実施日や方法を変わらず継承する一方、屋外での火の扱いを禁じる林野火災注意報が今年から運用される中、新たな難しさも浮上しているという。「何代もで守ってきた行事。これからも続いていくように」と願っていた。



