バイククロスカントリー年間王者 中上級者クラス 塩尻・丘中2年 西村太一さん

塩尻市の丘中学校2年生の西村太一さん(14)は、公道以外なら免許不要の競技用のバイクで未舗装のコースを走る「全日本クロスカントリー選手権(JNCC)」の中上級者クラス(71人)で、今季の年間チャンピオンになった。全9戦のうち8戦に出場して5連勝をする好成績で、全4クラス・370人の総合ランキングでも16位に入った。来年は米国のクロスカントリー選手権(GNCC)に参加予定で、気合が入っている。
レースは規定時間での周回数を競い、順位別のポイントで通年成績が決まる。西村さんは今季にB(中上級者)クラスに昇格したばかりだが、1位5回、4位2回、10位1回で総合1位になった。第1戦は徳島県の砂浜が会場で、普段は“海なし県”の長野県で練習しているため砂地に慣れておらず苦戦した。第4~8戦は全て1位で、第8戦の時点で総合ランキング8位の快挙を成し遂げた。勝ち続ける中で「(クラス)1位になれるんじゃないかと自信がついた。モチベーションが変わった」と振り返る。
特に印象に残るのが、スキー場X―JAM高井富士(下高井郡山ノ内町)の特設会場での第8戦。大雨の影響でコースが荒れて悪条件となり、他の選手らが恐怖心もあって大きな急坂を下れない中、自分は「雨が得意で、難しいコースを走るのが好き」。タイヤが滑らないように極力ブレーキを使わず「タイヤがギリギリ回るくらいを維持して、グリップし続け」、スピードを維持した。他の選手が通らないルートを選び、約8キロコースを3時間で8周して、2位に1周差をつけた。
日頃の練習は、自宅周辺を自転車で1時間ほど走る。体のバランス感覚や石などを飛び越える技術を養うために、サドルがないトライアル自転車や、マウンテンバイクを使う。トライアルバイクのプロライダー・野崎史高さんの指導も受ける。
来季は上級者のAクラスに昇格する。西村さんは「練習内容の質を上げて、練習を毎日する継続力が大事になる」と新たな目標を掲げる。GNCCに派遣される予定で「アメリカのレースに出る同世代の選手は自分より速くて走り方も違う。現地でたくさん学んで吸収したい」と張り切っている。



