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2025年

国際高校生選抜書展 横川莉央さん(志学館高)の臨書が準大賞

2025/11/13
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 塩尻志学館高校(塩尻市)3年生で書道部員の横川莉央さん(18)=松本市=の臨書作品が、第34回国際高校生選抜書展(毎日新聞社、毎日書道会主催)で準大賞に輝いた。中国・唐の時代の書家・チョ遂良が記した約660文字を、全紙に模写した。半年間にわたる練習で技術と集中力を高め「レベルの高い展覧会に挑戦して、結果を得られた」と喜びと達成感でいっぱいだ。
 主催者によると、「書の甲子園」と呼ばれる書展で国内外から1万634点の応募があり、入賞205点、入選1623点が選ばれた。準大賞(20点)は、文部科学大臣賞、大阪府知事賞、大賞に次ぐ上位4番目の賞となる。県内では第14回に大賞受賞者がおり、横川さんの準大賞は県勢としては20年ぶりの快挙だという。
 横川さんが手本にしたのは「雁塔聖教序」という石碑に刻まれた文言。インドから仏典を持ち帰って漢訳した三蔵法師の功績をたたえる内容という。横川さんは書道の授業で、チョ遂良が楷書で記したこの文字に出合った。「見やすくて、文字の基本となる形がきれいで書いてみたいと思った」。
 小学校6年間は書道教室に通った。古典作品をそっくりに写し取る経験も技術もなく、文字の形を捉えることから始めた。臨書の作品に書くのは、663文字。666個の升目がある全紙に、1文字も1画も抜け落とさないために、一回一回手本を見て確認した。「二」「上」といった画数が少ない文字はバランスを取るのが難しく、かすれのある「之」もあれば、ない「之」もあり、細部まで注意を払った。
 練習は学校や自宅で一日4~5時間、休日は7時間励んだ。準大賞は思わぬ成績で驚いたが「部活をしてきた3年間の自信になった」と手応えを感じている。「いろんな書体や古典があって、選ぶのも書くのも楽しい」と書道の魅力を話している。
 書道部顧問の奥原悠斗教諭(37)は「原本に近い形でこれだけの文字数を書き切れる集中力と持続力がある。心の強さはピカイチ」と横川さんを評価している。

準大賞作品と同じ内容を紺紙に金泥で書きながら、努力の日々を話す横川さん

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