明科のまちづくり道半ば 駅周辺整備ほぼ完了も 歩道新設・空き地活用が課題
安曇野市が平成30(2018)年度からJR明科駅周辺で進めていた一連の「明科駅周辺のまちづくり事業」が区切りを迎えた。令和5年10月にしゅん工式を迎えたが一部の交差点改良が残っており、今秋に工事が完了した。ただ、国が進める国道19号の歩道整備は道半ばで、駅前には大きな空き地もある。市の「東の玄関口」としての街づくりは終わっていない。
同事業は駅前広場整備、交差点改良、公園設備の改修、案内板設置など総事業費16億円のパッケージで、国の補助を得て進めてきた。大部分は5年秋に完了し、唯一残っていた龍門渕公園近くの変則五差路を十字路にする交差点改良が9月に完了、街路灯設置をわずかに残すのみとなった。市都市計画課は「整備した駅前駐車場の稼働率も高い。利便性は向上した」と振り返る。
一連の事業は終わったが、駅前では工事が進行中だ。歩道のない国道19号の800メートル区間を両側4メートルずつ拡幅し、電線類の地中化と歩道・自転車レーンの整備を行う国の事業で、完成すれば歩行者や自転車の往来が増えるとみられる。令和4年度に着工し用地取得率は約9割に達するが、整備率は半分に満たず完成時期は見通せない。
また、駅の正面にはショッピングセンター「あやめシティー」の跡地の広い空き地(民有地)がある。好立地のため、利活用次第ではにぎわいを呼び込む可能性がある。太田寛市長は10月の市長選告示日の街頭演説で「2期目の大きな課題の一つとして真正面から取り組まなければならない。この4年間で必ずめどを付け、もう1回活性化するための拠点にしたい」と強い意欲を示した。
市は、駅に近い龍門渕公園・あやめ公園にカヌーをはじめとした「東部アウトドア拠点」を整備する計画も進めるが、具体像はまだ見えない。東の玄関口となる街の活性化は道半ばだ。




