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2025年

なり手不足深刻な民生児童委 塩尻市が公募に乗り出す

2025/11/07
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 塩尻市は本年度初めて、改選期を迎えて「なり手不足」が課題の民生児童委員の公募に乗り出した。生活上の困り事を抱える住民の相談に応じて必要な支援につなげる役割で、1期3年で今月末に任期満了を迎えるが、一部地域で候補者が見つかっていない。候補者の選定に苦慮する各区の現状を踏まえ、民生児童委員を正しく理解してもらい協力できる有志を求めている。

本年度作成し各種催しで活用する民生児童委員をPRするパネル

 市の民生児童委員の定数は160人(このうち主任児童委員14人)で、12月からの新たな委員は現時点で9人欠員。全10地区・66区のうち、要望があった大門四番町、大門七区、片丘の内田原区、広丘の野村区、高出4区、吉田4区の5地区・6区の計7人を28日まで公募している。「これだけいないのは初めて」(市地域共生推進課)だという。
 人口によって選出人数は異なるが、多い区では10人選ぶ必要がある。直近の令和4年度の委嘱者には仕事を持つ30代もいた。区の他の役員と違い、改選期が4月ではなく12月というのも難点のようだ。
 委員選出の中心となる区長の負担軽減も考慮し、4月に市地域共生推進課に民生児童委員選定に関する相談窓口を開設、市は対面、電話合わせて40件の相談を受けてきた。「何回も回っているが断られる」「地区の会合で民生児童委員の役割を説明してほしい」との内容だった。「仕事が大変」との印象を抱かれがちだが、市は「行政と地域とのつなぎ役。民生児童委員が解決するのではない」と説明する。
 新型コロナウイルス禍以降、地域の連帯力の低下が懸念されているという。高校生に訪問や見守りといった民生児童委員が担う活動の一端を体験させ、市の広報紙で紹介するなどPRを工夫した。地域共生推進課の飯田哲司課長は「一人でも多くに知ってもらい、できる範囲でできることをしてほしい」と呼び掛ける。公募条件は市ホームページで確認でき、関係者で審査して決定する。