全国で輝くハードラー 陸上の南澤明音が全国主要2大会で優勝
2025/11/01
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松本土建(松本市島立)のアスリート社員・南澤明音(28)=松本大学出身=が、10月に佐賀県で開かれた第79回国民スポーツ大会の陸上競技成年女子400メートルハードルで初優勝した。国スポ1週間前に山口県で行われた全日本実業団対抗選手権大会でも、自己ベストとなる56秒51をマークして優勝、県記録を塗り替えた。国内主要タイトルを獲得し、遅咲きのハードラーの輝きが増している。
昨冬から、走ると右足首に痛みがあり、万全とは言えないコンディションの中でも好記録を出した。要因は「メンタルの変化」と言う。以前は走っている最中に「負けたくない」「ここでこうしなきゃ」という思考が脳内を占めていた。しかし、9月の世界陸上を見て、自分自身と向き合う競技の本質を再認識し「きれいに走らなくていい」。思考がシンプルになり、視界が開けた感覚があった。
実業団選手権で自己ベストを更新した良い感覚を維持し、国スポに挑んだ。決勝は雨が降りしきる悪条件だったが、ただ真っすぐにゴールを目指し、利き足にこだわらずタイミングのあった足でハードルを跳び越えた。中盤に一気にトップに躍り出ると、終盤の競り合いを制して56秒96でゴールした。
2大会の記録は、大学時代のハードルなしの400メートルのタイムよりも速く、年を重ねるごとに進化を遂げている。現役を引退する同世代が増えてきたが「まだ区切りをつけるつもりはない」と力を込める。来季の目標は、来年9月のアジア大会出場。「後悔しないように日々取り組んでいきたい」と自分自身と向き合う。




