四賀地区・旧会田中の木造校舎が老朽化で解体へ 18日お別れ見学会企画
2025/10/03
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松本市会田(四賀地区)の旧会田中学校校舎が年内にも解体される。旧四賀村の前身となる会田、五常、中川、錦部4村の組合立中学校として昭和28(1953)年に新築・開校し、現在の新校舎に役目を譲った後も旧四賀村指定の文化財として親しまれるなどしてきたが、近年は老朽化が著しく、市が維持活用は困難と判断した。18日に現地でお別れ見学会が開かれる。
計4棟あった旧会田中学校校舎のうち、最後に残された1棟になる。木造2階建て瓦ぶきで延べ約850平方メートル。現役当時は職員玄関、職員室、事務室、校長室、放送室などのほか、広さ数十畳の和裁室などを備え、他の校舎と木造渡り廊下でつながっていた。新校舎建設に伴い、平成12(2000)年に4棟のうち2棟を解体、2棟が同村文化財に指定されたが、旧四賀村と松本市の合併時に指定が解かれ、さらに1棟が28年に解体された。
旧四賀村時代は、民俗資料を集めた展示室として校舎を後利用する構想などもあったという。実現せず、近年は市の倉庫として利用されていた。解体に伴う総事業費は約3200万円。年内に着手し、年度内に更地にする。
一帯にはかつて旧会田中学校と旧会田小学校が並び、いずれも温かみのある木造校舎から多くの子供たちが巣立っていった。今回の解体で当時をしのぶ建物は全て姿を消す。
お別れ見学会は市歴史の里の主催で18日午後1時半~3時半。申し込み不要で参加無料。時間内に現地を訪れると建築士の案内で見学できる。
