こどもしおじり、12月に 節目の10回目へ「市長」ら奮闘
架空の街で子供たちが仕事を体験し、社会の仕組みを実感する催し「こどもしおじり」が、12月の次回で第10回の節目を迎える。塩尻市の市民交流センター・えんぱーくを会場に、店舗や事業所などを模したブースが設けられ、みんなで「市長」を選ぶ世界を、子供たちのアイデアで広げてきた。現在の「市長」と「議員」が、記念の作品作りや、ワークショップといった記念事業を考えている。

小学校3年生から中学校3年生までが対象。NPO法人・わおんが企画運営している。
街の中では独自通貨「じりぃ」が流通し、選挙で「市長」「議員」を選ぶ。「コンビニ」や「10じりぃショップ」を追加するなど店舗が多様化した。
みんなが快適に、公平に過ごせる仕組みを整えてきた。参加をやめたきょうだいからもらう「じりぃ」に税を課す仕組みを設けた。景品付きのポイントカードなども設けた。選挙で一時、80%程度にまで落ち込んだ投票率を上げるため、投票所を増やしたり、期日前投票を始めたりした。
同じ仕事を一定期間続けるともらえる“出世手当”を考えた議員の黒河内真歩さん(信州大学付属松本中学校2年)は「一つの仕事をやってみたい気持ちを応援したいと思った」と説明する。
10回目では小さな旗のような飾り付けをして、一枚一枚にメッセージを書いてもらおうという計画がある。活動の対価などでもらえるカードをつなぎ合わせ、大きな作品を作ろうという考えも。「こどしお神社」では、キツネのお面作りのワークショップを企画する。
仁科文香市長(諏訪清陵高校付属中学校2年)は「節目の貴重な機会に市長にならせてもらった。期待を背負っていると思う。みんなで楽しむことができ、思い出に残るようなこどもしおじりにしたい」と張り切る。
わおんのほかの事業に参加した子供たちがいつも話題にするなど、こどもしおじりはすっかり定着した。山田勇理事長は「日々、思い出してもらえるようになっているのがうれしい」と話している。
10回目の参加募集は10月1日から。高校生以上を対象にしたスタッフは随時募集している。問い合わせはわおん(電子メールwaon@npowaon.com)へ。