夏休みの松本市内児童センターが過密環境 施設規模、職員目配りに限界
2025/08/08
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夏休みの時期を迎え、松本市の児童センターは利用する子供たちで混雑し、普段よりもかなり過密な状態となっている。児童同士のトラブルや、事故につながりかねない状況も発生している。キャパシティーを超える状態に、センターの職員らは窮状を訴えている。
島内児童センターには夏休みが始まった7月下旬以降、平日の多い日で190人近い児童が訪れる。普段からセンターを利用する4年生の児童は「夏になり、人が多くなって走る人も増えた。廊下でぶつかりそうになったこともある」と話す。山岸紀子館長は「センターだけでは夏休みの子供の居場所を支えきれない」とこぼした。
同センターは集会室、図書室、クラブ室、創作活動室の計4室を居室として利用している。市によると、4室の合計面積は約251平方メートル。190人が利用すると、1人当たりの面積は約1・32平方メートルになる。市は放課後児童健全育成事業に関する条例で、子供1人に対し専用区画を1・65平方メートル確保するよう定めているが、夏休み期間中はこの基準を満たせない日もある。
鎌田のセンターでは、各部屋に2人ずつ職員を配置し、緊張感を持って子供たちの様子を見守る。職員同士のやり取りはトランシーバーで行う。センターは音に敏感な発達特性のある子供も利用するが、居室内にははしゃぐ子供たちの声が響く。安静に過ごせる場所が事務室以外になく、職員によると耳栓をしてセンターを利用する児童もいる。
市こども育成課は少子化が進む中での建物の増築は難しいとし、遊戯室にエアコンを設置して居室化するといった対応を進める。川上紀子課長補佐は「一時的に利用数が増える夏休みに合わせたハード整備は難しい。基本的には館の中での対応をお願いしている」と話した。