戦争があった時代 知ろう 南木曽町博物館 収蔵品から平和考える 戦後80年
2025/08/02
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南木曽町博物館・歴史資料館は、今年で戦後80年を迎えることに合わせた「平和祈念展」を館内で開いている。昭和6(1931)年の満州事変から20年の太平洋戦争終結まで、同館が収蔵する多様な関連資料約100点を並べ「戦争を知り、平和を考える」場をつくっている。展示期間は来年2月まで。
軍服や兵士募集のポスター、戦時色が強まっていく当時の大衆向け雑誌などがある。日本軍が7年に一方的に建国した満州国(現・中国東北部)への移民について紹介する冊子、アジア諸国の共存をうたい侵略を正当化しようとした構想「大東亜共栄圏」の範囲を示す地図など社会の動きを示す資料も多い。
もしもに備え当時の軍人が持っていた遺書には、わが子に向け「父の仇 米英を打つべし」とする文があり、戦地の兵隊を励ますために婦人団体・愛国婦人会が作った絵はがきには「銃後の日本 大丈夫」と国や戦争のため家庭を守る思いが記される。当時の価値観がうかがえる。
日頃は展示していない収蔵品の中からえりすぐり、背景を調べ一点一点の説明文をつけるなど「職員一丸となり」約半年かけて準備した。同館は戦後時間がたち、当時を知る人が減る中で「戦争は人ごとではないと感じてもらいたい」と話す。「なぜ戦争が起きたのか、当時を知ることで平和を維持することを考えるきっかけになれば」と願う。
入館料は大人600円、小中学生300円。毎月第2、4木曜日は休館日。
