県立高校再編 塩尻新校の開校時期 県教委が15年度案示す 懇話会側から異論も

塩尻市の塩尻志学館高校(総合学科)と田川高校(普通科)を再編統合して設ける塩尻総合学科新校(仮称)の再編実施計画懇話会は29日、塩尻総合文化センターで10回目の会議を開いた。県教委が、新校の開校を令和15年度とし、募集を6学級(1学級40人)程度と想定する案を示したが、懇話会からは異論が出た。
校地は現在の志学館高校とすべきだという考えがまとまっている。県教委は、8年度からの4年間で施設の設計を行い、12年度から6年間を工事に充てて17年度に完成させるスケジュール案を示した。
高校再編推進室の原多恵子主幹指導主事は、施設整備に県スクールデザインプロジェクトの考えを適用するとし「生徒、先生、地域の人たちと設計段階から考えていく。時間がかかることに理解をいただければ」と述べた。開校後も工事を続ける考えについては「竣工と開校の時期を合わせることも考えたが、できるだけ開校を早めたい」と説明した。
これに対して懇話会から、開校までの期間について「民間の感覚だと長すぎる」「これだけ時間がかかると世の中が変わってしまう」と難色を示す発言があった。募集を6学級程度と想定する案にも、近隣の中学校卒業者数見込みの推移に対して、規模が小さいとの見方が出た。
一方、統合方法については、新校の開校後も既存両校を残し、すでに在籍している生徒が卒業してから閉校とする「年次統合」とすることを承認した。例えば新校開校初年度は、新校に1年生のみが、既存両校に2年生と3年生が在籍する。
教育課程編成上の課題がなく、入学時と卒業時の校名が同じで混乱が少ないとする県教委の考えを認めた。ただ、懇話会の高校生の構成員からは「生徒会活動が大変になるので、検討を願いたい」という要望があった。
統合方法についてはこのほか、開校年度に、既存両校の生徒が新校に転校する「一斉統合」も示されていた。