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2025年

穂高商業高2年生 授業で企業の課題探る 地元9社と連携し調査・分析

2025/07/03
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 穂高商業高校(安曇野市)の2年生が本年度、先進的な教育方法「課題解決型学習(PBL)」を活用した地元企業との学びに取り組んでいる。同校が週2時間の授業「ビジネス探究」にPBLを新たに導入。生徒たちが企業課題を捉え、解決策を実践的に導き出していく。
 松本信用金庫(松本市丸の内)の紹介を通じて酒造会社や自動車販売店、スーパーなど9社と連携。各課題解決に向けた調査や分析、検証、プレゼンテーションを行い、ビジネス感覚を養う。2日は、JR大糸線豊科駅前で飲食店を経営する小柴屋の4代目・柴野和哉社長(51)をヒアリングに招いた。
 柴野社長は、人手不足をはじめ、飲酒人口や宴会需要の減少、安曇野インターチェンジ周辺に集中する飲食店との競合といった事業環境を伝え、「来店客を増やすためSNS(交流サイト)の有効活用を図りたい」と提起した。店を知っているが利用したことはないという髙山颯志さん(16)は「創業100年を超える歴史と信用を、来店の動機に結び付ける情報発信方法がありそう」と話していた。
 2年生約90人は9社ごとに分かれたグループ活動に移行し、企業訪問もして各企業の課題解決策を考えていく。10月の「穂商フェア」や来年1月の「ビジネス探究発表会」で取り組みを発表する。
 接客業に関心を持つ両角陽花さん(16)は「地元企業が置かれている現状に理解を深め、進路選択にもつなげたい」と意欲を見せた。柴野社長は「自社を見つめ直すきっかけをもらった。主観を脇に置き、若い感性に新たな視点を見いだしたい」と学びを歓迎する。

小柴屋の柴野社長(右)から経営課題を聞く生徒たち