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担ぎ舟5年ぶり奉納 安曇野市堀金岩原の山神社

5年ぶりに行われた担ぎ舟。威勢のいい掛け声が響いた

 安曇野市堀金烏川の岩原区にある山神社で28日、例祭の本祭りが営まれ、市内で唯一残る「担ぎ舟」が5年ぶりに奉納された。祭典保存会のメンバーと一般参加者の約50人が重さ1トンほどのお舟を担いで練り歩き、「わっしょい」と勇壮な掛け声を響かせた。

 お舟は長さ9メートル、高さ4メートル、幅2メートルで、五色幕などで飾り付けてある。新型コロナウイルスの影響下は活動を自粛していた。昨年は4年ぶりに作ったものの、担ぎ手不足で担げなかったという。今年は初めて担ぎ手を一般募集し、市内外から約20人が集まった。
 国営アルプスあづみの公園・堀金穂高地区の中央口から神社までの約900メートルを練り歩いた。募集に応じて参加した市地域おこし協力隊員の瀬戸康弘さん=明科中川手=は「安曇野の文化の一端を知りたかった。参加できてうれしい」と貴重な体験を喜んでいた。
 担ぎ舟は市内各地で行われている「お船祭り」の古い形態を残しているとされ、市無形民俗文化財に指定されている。保存会の尾日向和孝会長は「地区外からこんなに担ぎ手が来てくれると思っていなかった。成功事例ができた」と継続に手応えを感じていた。