アルプス公園に新種ハチ 学芸員・内川潤季さん発見 山と自然博物館で展示
2026/03/12
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松本市郊外のアルプス公園周辺で、新種のハチ「シロオビコンボウハバチ」が発見された。市山と自然博物館の学芸員・内川潤季さん(38)が昨年4月10日に見つけ、日本昆虫分類学会の会誌で12月に発表された。同館で、新種ハチの標本や説明パネルを展示している。
内川さんが公園敷地東側付近に出向いた際に見つけた。公園内で以前、ハバチの仲間の珍しい種類が見つかったことから関心を抱いており、素手で捕まえて持ち帰った。
体長11ミリの雌で、腹部に白い横じまがあった。調べたが、共通点が多い同属の中で、この特徴を持つ種類が見当たらなかった。ハバチ研究の第一人者の篠原明彦・国立科学博物館名誉研究員が「新種とみていい」と判断した。同属での新種発見は、国内では終戦直後以来だという。
研究家として知られる故清澤晴親さんが昭和20年代、当時の今井村(現松本市今井)で採集し、山と自然博物館にあるハバチの標本が同種だと分かった。科学博物館には台湾で採集された同種の標本もあった。いずれも、種類は特定されていなかった。
内川さんが採集した個体は産卵し、昨年末に季節外れの羽化をした1匹の標本を展示した。ほかの個体も近く羽化しそうだ。遠く離れた松本市と台湾にしか採集の記録がない新種の分布域などの謎が残っている。
新種の学名は、内川さんの名前を織り込み「Abia uchikawai」とされた。内川さんは「昆虫に関わる者として、新種を発見し、学名に自身の名前が入ったことがうれしい。身近な存在のアルプス公園にも、新種が見つかる環境があることを知ってもらいたい」と話している。
山と自然博物館の開館は午前9時~午後5時(入館は4時半まで)。火曜日休館。




