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2025年

緊急輸送道路整備進む 拡張/バイパス化/橋の耐震化 災害に備え県内527路線

2026/03/11
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 大規模災害の際、避難や救助、物資輸送などの緊急車両の通行を確保する「緊急輸送道路」の整備が進んでいる。県が指定しており、令和6年の能登半島地震を受けて昨年3月、対象に市町村道を加えた。東日本大震災などを教訓に拡幅やバイパス化、橋の耐震化などを促しており、市町村にも対応が求められるようになった。
 人命救助やライフライン復旧、各地域で災害対策本部を置く市役所などの拠点、生活必需物資の輸送拠点などを結ぶ道路が、高速道路や国道、県道といった種別にかかわらず指定されている。527路線、延長2422・3キロで、重要度別に第1~3次に区分される。松本地域と木曽郡、北安曇郡南部では、長野自動車道、国道19号や20号などが該当し、延長554キロが指定されている。
 松本市では、耐震化が促される橋を含む路線の一つに、第2次に挙がる市道5703号線がある。国道19号や並柳地区、浅間温泉方面を結ぶ通称・やまびこ道路の一部だ。
 延長100メートルの短い路線だが、田川に架かる出川橋が含まれる。市は平成20年代中盤、大地震で橋桁が落ちるのを防ぐため、橋桁と、両岸の橋台、河川敷に立つ橋脚を結ぶ耐震化を施した。一帯は交通量が多く、舗装の打ち直しなど長寿命化対策も重ねる。
 松本市の市街地には、女鳥羽川や薄川、田川などの1級河川が集中する。他都市にない特徴で架かる橋も多い。出川橋のように、緊急輸送道路指定に先駆ける耐震補強などもあるが、建設課の神戸順課長は「指定で、何らかの対応が必要になることも考えられる。災害時に、健全な形で橋を残したい」と話す。
 緊急輸送道路をネットワークとしてみる計画は阪神・淡路大震災を契機に作られた。緊急輸送道路などの強靱化を図るため、県が東日本大震災を受けて始めた防災対策強化事業は令和8年度当初予算案でも主要事業と位置付け、168億円余を計上した。
 山地で隔てられる県内の各地域は、大規模災害時に孤立の恐れがある。県道路建設課は「道路の寸断を防ぎ、県民の生命・財産の保護につなげる」と説明している。

耐震化が施された出川橋