「好き」 どう言葉にする? 文芸評論家・三宅香帆さんが塩尻で講演
2026/03/09
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塩尻市立図書館は8日、同市市民交流センター・えんぱーくで、文芸評論家・三宅香帆さん(32)=京都府=の講演会を開いた。本年度最終回となる信州しおじり本の寺子屋事業で、三宅さんは「言語化の技術」と題して語り、中学生から高齢者まで市民ら約150人が熱心に聴いた。
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(集英社)『「好き」を言語化する技術』(ディスカヴァー携書)など近年話題の著書で知られる三宅さんは、現代の労働で役立つとされるのは、背景・文脈など周辺情報(ノイズ)を含む「知識」ではなく、個人が知りたいことに焦点を当てた「情報」だと指摘した。
一方、ノイズは「新しいアイデアや違う文脈を自分に持ってきてくれる」ものだとして、AI(人工知能)時代の今だからこそノイズを取り入れるために自分の好みなどを言語化する重要性を説いた。
自分の中でもやもやと抱える感覚について、「やばい」「考えさせられる」など使いがちなクリシェ(決まり文句)ではなく、別のオリジナルの言葉で表現すれば「止まっていた思考がその先に進める」とも述べた。
言語化する手法として▽ここが良かった・悪かったと具体例を挙げる▽なぜ気になるかを考える(共感か驚きか)▽実際に書き出してみる―の手順を紹介。「語彙力よりも細分化する力が重要」とし、好みや苦手のものなど自己理解が進み、その上で他人に対して伝えるための整理もつくとした。
三宅さんは「生活の中で未知なるものとの出合いを大切に言語化していただけたら」と来場者に呼び掛けていた。




