100年前の上土をジオラマに 松本大4年生が卒業制作
2026/03/07
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松本大学(松本市新村)総合経営学部観光ホスピタリティ学科の増尾均教授のゼミで学ぶ4年生たちが卒業制作の一環で、松本市中心街の上土町周辺(大手4丁目)の100年前の街並みを“再現”するジオラマを作った。町屋や民家が立ち並ぶ通りにホテルや医院などの洋風建築を交えた「大正時代の活気あふれる上土町」を表現。資料を読み込み、現存する建物の実測を行い、それでも分からない部分は想像して作り上げた力作だ。
大正2(1913)年の地図を基に、上土町を中心に緑町や縄手通りの一部など約5000平方メートルを300分の1のスケールで、縦(東西)61センチ、横(南北)90センチで表現した。小池晴さん(21)は「当時の街並みは写真や文献でしか分からない。生活風景や都市空間を立体的に把握し、可視化したかった」と語る。当時の人口や鉄道、インフラの整備状況から建物の密度や種類を調整したという。
ジオラマは全て手作りした。女鳥羽川沿いにあった市役所庁舎や裏手にあったテニスコート、民家を細かく再現。町屋は現存する中町通りの商家を実測して上土の町屋を推測し、店舗や蔵も作った。映画館が建設され、近代的な文化でにぎわった上土らしさも建物で表現した。洋風建築の「ホテル花月」や「山崎歯科医院」を丁寧に再現している。
昨年8月から今年1月中旬にかけて制作。髙橋佑太さん(22)は「大変だった」と振り返り「100年前の街なのに、ジオラマを見ていると、今の街とも重なり、自分がどこに立っているか分かる感覚になる」と話す。増尾教授は「ここまで資料を根気よく調べ、追究した卒業制作は自身のゼミでも他にはない」と評価する。
「大正ロマン発信のために使ってほしい」と、1日に上土町と上土商店街振興組合に寄贈した。活用方法を検討している。



