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2025年

キャビアを新たな特産に 穂高の藤屋わさび農園・望月専務がチョウザメ飼育 出荷が本格化

2026/03/03
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 安曇野市穂高の藤屋わさび農園専務・望月啓市さん(33)は今年、高級食材として知られるキャビアの出荷を本格的に始めた。淡水魚・チョウザメの卵で、望月さんは6年前から穂高地域の養殖池でチョウザメを育てていた。首都圏や地元の料理店から引き合いがあるといい、望月さんは「ワサビに並ぶ安曇野のもうひとつの特産にしたい」と意気込んでいる。
 昨年末から少量の出荷を開始し、今年は500キロを目安に養殖、加工、出荷の体制を整える。すでに10軒ほどの店に卸していて、店主からは「質が高い」と上々の評価を得ているという。令和12(2030)年ごろには年間3トンの出荷を目指す。
 趣味の食べ歩きを楽しむ中で、キャビアの養殖を思いついた。安曇野ではワサビ農園の湧水をニジマスなどの養殖池の水源として利用している。ワサビと養殖は切っても切り離せない関係だ。一方、近年は後継者不足などにより廃業する養殖業者が増加。使われなくなった養殖池を活用しようと考えた。
 初年の令和2年は30匹から養殖を開始した。「絶対いける」と強い自信を持って臨んだが、稚魚や餌は他の魚に比べ高額で、採卵・出荷して売り上げが発生するまでには7年もかかる。それでも「やり抜くしかない」と覚悟を決め、4年目以降はトラウトサーモンの養殖で利益を生み出すなどして切り抜けた。今では3カ所の池で計3万匹のチョウザメを養殖する。
 6年には「安曇野キャビア」と名付けた株式会社を立ち上げ、現在は4人の専門チームで養殖に取り組む。参入障壁の高い産業だが、設備投資の少なさや、豊富な湧き水という地の利が市場優位性につながっている。望月さんは「水に恵まれた安曇野ならではの産業。ブランドを確立したい」と見据えている。

チョウザメの養殖池を紹介する望月さん