若者が災害時の「情報」考察 見極める力重要性学ぶ 松本市で大学生発の催し
「災害×情報」をテーマに、災害時の情報の在り方、受け取り方を語り合う集いが1日、松本市大手3のサザンガクで開かれた。「令和のコーヒーハウス」をうたった大学生発の対面式イベント「なぜぜ?」の一環。東日本大震災の発生から11日で15年を迎えるのを前に、災害を経る中で進歩してきたメディアの歴史や、混乱に乗じて広がる誤情報・偽情報の見極めなどについて20代の若者らが考えた。
さまざまな階層の人が議論や情報交換をした17世紀英国の社交の場・コーヒーハウスから着想した試みで、松本大学地域防災科学研究所の入江さやか教授をゲストに迎えた。
入江教授は「情報は人を生かしも殺しもする」と切り出し、最たる例として災害時の情報を取り上げた。流言が多くの朝鮮人虐殺につながった関東大震災にとどまらず、フェイクニュースが混乱を呼んだ近年の熊本地震や能登半島地震の事例を紹介。一方で東日本大震災以降、防災情報の細分化や防災アプリの普及、SNS(交流サイト)を通じた自治体の情報発信などが急速に進んだと指摘した。
「大災害の時、何を信じる?」の問い掛けに、参加した大学生や社会人ら10人が意見を述べたり自問したり。4月から中学校で社会科を教える県内養護学校の男性教員(24)は「情報に対して思考を働かせ判断する力が災害時は余計に問われる。日頃から意識できるよう子供たちに伝えていきたい」と話していた。
「なぜぜ?」は松本市出身の星槎道都大学3年・胡桃澤実彩さん(22)=北海道=と、松本大学4年の富沢智咲さん(22)が昨年立ち上げ、多くの活断層が通る長野県で防災を考えたい―と今回のテーマを選んだ。防災士の資格を持つ富沢さんは7歳の時に経験した東日本大震災の「揺れや空気を今も覚えている」とし「社会が大きな混乱にあればあるほど正しい情報が重要になる。見極める姿勢を大切にしていきたい」と話していた。

入江教授(右)を囲んで災害時の情報の在り方を考える参加者たち



