塩尻・贄川にジビエ食肉処理施設開業 中村漆器産業 鹿肉の小売り・卸売りも
2026/02/19
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塩尻市贄川の中村漆器産業が、ジビエ(野生鳥獣肉)の食肉処理施設「楢ノ杜」を本社敷地内に開業した。市内では初の施設だ。ジビエへの活用が進んでいなかった、頭数管理のために捕獲されたニホンジカを中心に処理を受け入れる。合わせて同社のコンセプトショップ「LIFE木曽店」をリニューアルする。4月からジビエ、動物の角や牙を加工したオリジナルグッズを販売し、同所を山の自然に親しむ拠点に位置づけていく。
狩猟に関心があったという中村健一郎社長(46)が昨年、狩猟免許を取得したことが事業化の端緒になった。鳥獣をジビエとして活用するには捕獲後、一刻も早く処理施設に運ぶ必要がある。狩猟関係者との交流が深まる中、山の近くに位置する施設を求める声が多いことを知り、自社で設置することを決めた。
塩尻商工会議所などの支援を受けながら、倉庫だった建屋を食肉処理施設に改修した。枝肉のまま貯蔵できる大型冷蔵庫を導入したほか、異物混入を防ぐため、精肉・包装作業のスペースを仕切るなど衛生対策に力を入れた。一般的な食肉に近い感覚でジビエを手に取ってほしいと、店舗やECサイトで取り扱うものは部位ごとに小分けし、冷凍して販売する。飲食店やホテルへの卸売りも行う。狩猟グッズは動物の命を無駄なく使いたいと考案し、アクセサリーやペンがある。
当面は月10頭の処理を目標にし、今後2年で事業を軌道に乗せたい考えだ。中村社長は先輩狩猟者と山に分け入る中で、山の奥深さや豊かさを実感したという。「ジビエを通じて地元の方や子供たちに伝えられたら」と話している。




