ニュースレター『平和の種』終刊へ 発行20年、会員の高齢化で
「平和を希い、平和を語り、平和のために力を合わせる」をモットーに、中信地域の市民有志が20年にわたって発行してきたニュースレター『平和の種』が今年限りで終刊する。戦争や貧困、権力や自然破壊など平和を脅かす幅広い事柄に向き合い、平和の道しるべとなる言葉や情報を発信してきたが、メンバーの高齢化に伴い継続を断念。仮に足跡が消えても、非合理な力に抗う営みは生まれ続ける―。関係者はそう信じている。
市民有志でつくる「平和の種をまく会」が平成18(2006)年に創刊し、隔月発行してきた。平和を願う人々が思想信条の違いを超えてゆるやかに手を携え、有名無名を問わず無償で寄稿。編集し、印刷し、県内外に発送する作業も会員らが無償で担った。購読料は数年前に一度だけ改定し、年6回分で計1500円。再生紙を使ったB5判30~40ページのスタイルを貫く。
郵政選挙として記憶される同17年の衆議院議員選挙で、長野2区の立候補者に憲法や平和に関するアンケート調査をした市民活動が母体となった。平和主義や立憲主義、基本的人権の尊重といった理念を守り、広げたいという思いが根底にある。
この間、強権的な政治が世界で再び台頭し始める一方、創刊時には想像できなかった新しいメディアによる情報発信や若者の平和運動が広がりつつある。スタッフの有賀ふく江さん(74)=松本市=は「新たな芽は確実に育っている。市民による絶え間ない運動がこれからも社会を動かすと信じたい」。立ち上げメンバーの一人、小田登茂子さん(85)=安曇野市=は「この時代に幕を下ろす心苦しさは否定できないが、平和を希求する灯を消すことは決してできない」と話していた。
最終号は12月発行の第125号を予定。問い合わせは電子メールで小澤直子さん(platero0901@gmail.com)へ。




