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2025年

満州引き揚げ時に餓死 兄思い慈善ラーメン販売 塩尻の川窪誠さん 27日に催し

2026/01/21
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戦地で亡くなった兄をしのび、慈善活動をしたいと話す川窪さん

 塩尻市大門のコミュニティースペース「からだラボキッチン」で27日、経営者の川窪誠さん(76)=塩尻市中西条=がラーメンの販売を通じた慈善活動をする。太平洋戦争の終戦後の昭和21(1946)年に満州(現在の中国東北部)から日本に引き揚げる途中で生後数週間で亡くなった兄・勇さんの命日に合わせて行う。「兄は餓死してしまった。今、食べる物に困っている子供たちの手助けになれば」と、収益金の一部を市民タイムスの「おもいやりボックス」に寄託する。
 川窪さんは柔道整復師だが、ラーメン作りが趣味で、体のケアや整骨などを行う複合施設「からだラボ」のキッチンで1年ほど前に“ラーメン店”を始めた。名称は「中華そば いさむ」。「(亡くなって)世の中にデビューできなかった勇を知っている人は誰もいない」としのび、兄の名前を店名に入れた。
 27日は「いさむの日」と銘打ち、しょう油ラーメン(税込み800円)を限定50食販売する。通常は並盛りだけだが、大盛りを用意して同じ価格で出す。来月からは毎月最終金曜日を「いさむの日」として並盛りと大盛りを同額で提供する。時間は午前11時半~午後1時。
 川窪さんの父・敏秋さん(故人)は関東軍の下士官だった。母・高子さん(故人)は夫を追って満州に渡り、逃避行中の昭和21年1月2日に勇さんを出産した。栄養失調で母乳が出なかった。丸々と太った赤ちゃんだった勇さんは日に日に痩せて、27日に亡くなったという。
 川窪さんは、母親が昭和63年の70歳の時に戦中戦後の壮絶な体験など半生を書いた手記を大切にしている。「兄は飲んでみたい、食べてみたいという気持ちがあったと思う。母もすごく苦労して引き揚げてきた」と言い、「平和の尊さを感じる。自分が少しでも誰かの助けになれたら」と話している。問い合わせはからだラボ(電話0263・53・5035)へ。