塩尻の市川孝さん 日展で初入選 4回目の挑戦 人物描く
2026/01/13
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塩尻市大門の元会社員・市川孝さん(69)の油絵作品が、全国規模の公募美術展「日展」の洋画部門で初入選した。10年ほど前から趣味で絵を描き、日展への応募は今回が4回目。落選しても諦めずに絵の勉強を続けて技能や表現力を養ってきた成果が評価されて、喜んでいる。
入選作品「明日を見つめる」は、社会に出る前の女子大学生をイメージして描いた。自信を持って生きていこうとしながらも、未知の世界への不安を抱く心の内を、顔の表情に表した。背景に描いた昔のレコードジャケットは「過去」を表している。「しつこくしつこく描いて見て、人物と周囲、空間全体を考えてバランスを取るのが大事」だと分かった。「全体的にくすんだ感じにして調和すること」で納得の1枚に仕上がった。
絵を描き始めたのは、退職後の57歳の時。東京都内に単身赴任していたころ、絵画の鑑賞や解説を聞く催しに何度も参加した経験があり、描くことは面白そうだなという思いが湧いた。塩尻市内外の美術団体に所属して絵画教室で指導を受けた。この4年間は、武蔵野美術大学通信教育課程を受講した。風景や静物などさまざまな題材に挑戦したが「人物を描いていると実在しているかのような存在感が増す」と写実的な人物画の制作に没頭している。
趣味が多彩で、51歳から63歳までにフルマラソン大会に20回出場して完走した。今は市内のヘルスパ塩尻のスポーツジムに通って体力を付ける。自宅では素粒子論やスペイン語、AI(人工知能)の学習に励み、瞑想もする。「1日24時間じゃ足りない」。念願の初入選を果たしたが、特選作品を見て「自分の作品も並びたいと思った」と新たな夢を抱いている。



