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2025年

JR中央西線の日出塩駅 歴史重ねて100年

2026/01/01
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 塩尻市宗賀のJR中央西線・日出塩駅が今年、大正15(1926)年の開業から100周年の節目を迎える。同駅は住民の熱意で信号所から駅に昇格した。近年は周辺の人口減で利用者数は減少傾向にあるものの、住民にはなくてはならない駅として1世紀にわたって歴史を積み重ねてきた。

今年開業100年の節目を迎える日出塩駅
今年開業100年の節目を迎える日出塩駅

 『塩尻市誌』などによると、明治42(1909)年に鉄道の中央西線の塩尻―奈良井間が開業し、洗馬駅と贄川駅が設けられた。両駅の距離は約9キロもあり、列車本数が増加すると運行に支障が出るようになった。大正2(1913)年に列車の行き違い場所として日出塩信号所が設けられた。列車は停車したが、旅客の乗降はできないため、地元有志が駅の開設運動を展開し、大正15年12月に駅となった。
 JR東海によると、上りホームにある待合室は昭和7(1932)年に建てられた。中央西線では、明治35(1902)年建設の釜戸駅舎(岐阜県)などと並び、歴史のある建物だ。日出塩駅では昭和47(1972)年、映画「男はつらいよ 寅次郎夢枕」のロケが行われ、映画の冒頭、待合室で寝ていた寅さんが夢から覚めるシーンが撮影された。
 市の統計によると、同駅の年間乗客数は昭和40年代には10万人を越えていたが、令和5年度には2311人にまで減少している。昨年11月に駅前に移住したばかりだという福澤昌子さん(69)は通勤などで週に何度も駅を利用している。「駅がなければ日出塩には縁がなかったと思うので、駅を作ってくれた昔の方に感謝したい。これからも利用していきたい」と話していた。